メルボルン事件の「受刑者」が仮釈放で帰国した。
事件直後の通訳を介しての取調べのビデオが
ニュースで流された。
「先進国」であり、
日本人観光客が大挙した訪れてきたオーストラリアにして、
こんな有様であったのか!
−日本人の多くがゾクッとしたのではなかろうか。

が、同じ「先進国」日本でも、
外国人犯罪事件に通訳の不備による冤罪事件が、
実は相当数潜んでいるのではないかとの疑念を、
私は、以前から抱いている。
この10年で、
裁判所も通訳の整備等かなり努力してきてはいる。
が、まだまだ追い付かないというのが実情だ。
何よりも、有罪無罪を決定づける最も重要な被疑者段階の弁護活動
のための通訳等の保障は、全く無い。
弁護士会と、法律扶助協会と、
そして弁護士個人の献身的犠牲的精神にお任せである。
昨年のこの「たんぽぽ」ニュースで、
「イタリア青年の苦い日本旅行記」と題して報告した
イタリア大使館の自国民の裁判活動に対する献身的な援助活動
とは雲泥の差だ。