たんぽぽ法律事務所

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マスコミの忖度〜(2019年8月15日)弓仲

目に余るマスコミの権力への忖度! 

選挙報道よりは、ジャニーさん、よしもと問題 

 1 2019年7月の参議院選挙の投票率は、50パーセントを割り込み

過去2番目に低い48.8%でしかなかった。

この低投票率には、

選挙民(国民)の自覚の低さも影響はしているが、

マスコミ、特にテレビの選挙報道に対する姿勢が大きく関わっているといわざるを得ない。

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2 選挙後の開票速報を大々的に流す各テレビ局だが、

選挙期間中の選挙報道への消極的な姿勢は目に余る。

在京の地上波テレビ6局の選挙関連の放送時間は、

前回の参議院選挙からトータルで12.8%減。

前々回からは26.7%減(エム・データ社集計)。

内容的にも、「公正・公平」の名の下に、

かろうじて放送した党首討論も野党党首からの質問に安倍首相が答弁。

言いっ放し、言わせっぱなし。

フェイクチェックをしての後追い調査報道もしない。

投票日直前のニュース番組でも、選挙を扱わない放送局が続出。

それでいて、最後に一言「棄権しないで投票を!」の呼びかけ。

欺瞞でしかない!

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3 ジャニー喜多川氏死去(2019年7月9日)のニュース

が流れたのは参議院選挙公示(7月4日)後の7月10日。

早朝からテレビ各局は、繰り返し、

ジャニー氏の死去と同氏の功績、同氏と所属タレントとの心温まる絆、

同氏を偲ぶタレントやファンの声を流し続けた。

多数のジャニーズタレントの養成、

「男性アイドル」なるジャンルを確立、

男性アイドルの市場を実質ジャニーズ事務所の所属アイドルが独占、

最も多くのコンサートをプロデュースした人物、

最も多くのナンバーワン・シングルをプロデュースした人物、

最も多くのチャート1位アーティストを生み出したプロデューサー等々、

同氏への賛辞のオンパレード。

翌日も、翌々日も……。

伝えるべき参議院選挙を巡る与野党の政策的論点

についての突っ込んだ報道は、ほとんどされず、

テレビは、ジャニー氏死去関連「ニュース」に占拠されたかと思うほど。

なお、ジャニー氏の闇

(所属少年タレントへのセクハラ・同性愛行為が東京高裁の判決で認定され、

最高裁でも上告棄却でこの判決が確定したこと等。)については、

どこも頬被りで、

今回のジャニー氏死去関連報道でもテレビで放送されることはなかった。

この業界での強者ヘの忖度か。

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 よしもとの闇営業問題に関わる報道も、選挙前から続いていたが、

選挙中の各局の「ワイドショー」番組でも連日この問題を扱った。

繰り返し、吉本所属タレントらの発言を報じ続け、

選挙に関する報道は隅に追いやられるありさまであった。

投票日直前に至っても、所属タレントの処分や会見を報じ続け、

投票日の翌日の社長の会見についても大々的に取り上げ、

翌日以降もよしもと問題の報道がなくなることはなかった。 

 

5 権力を監視し、時の政権が隠している事実を調査・発掘し、報道する。

国民の知る権利に応える。

これが、あるべき報道機関・メディアの使命のはずである。

しかし、この使命を嫌悪する政権中枢からの恫喝・圧力や

マスコミ首脳との間で繰り返される食事会等での懐柔。

これらにより、一部を除き、

権力に忖度し、権力の嫌がる報道は極力避ける。

一方、

権力の喜ぶことは、筋が通らなくても大きく取り上げる。

そんな報道機関になり下がる。

(関連して筆者の

アベ内閣とメディア、ジャーナリスト(2017.8/15付けたんぽぽニュース)

を参照されたい。)

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コイズミ議員とクリステルさんの結婚会見が首相官邸で行われ、

テレビのニュースショーなどで全国に生中継するなど大々的に報じられた。

街頭インタビュー、その他での祝賀コメントのオンパレード。

私事での官邸会見の異常さにふれないまま、祝賀報道を繰り返すのも、

政権への忖度か。

自らの存在感を示したいコイズミ議員と

好意的に取り上げられるメディア露出を増やし

支持率アップ、解散への道を探るアベ政権との利害一致の産物とも。

4月の衆議院議員補欠選挙(大阪12区)の投票日前日に、

アベ首相が、大阪よしもとの舞台に登場しテレビ、マスコミで報じられた時の

大きな違和感を思い出す。

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報道機関には、

民主主義国家に不可欠な政治権力を監視するという

自らに与えられた役割・使命を忘れることなく、

原点に立ち返った報道を強く求めたい。

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