「無縁社会」の中の新たな「縁」〜32号(2011年1月1日)元倉

うさぎ@縮小.jpg「無縁社会」とは、

昨年NHKのドキュメンタリー番組から生まれた言葉である。

この番組の提起した現代社会の問題点は別にあるのだが、

新しい年を迎えるにあたり、

新しい「縁」について考えてみた。


 

確かに、家族縮小.jpg

核家族化、少子化、20年後には40%に達するという単身化の中で、

「血縁」は狭まり、薄れている。

雇用の流動化、地域社会の崩壊の中で、

「地縁」も狭まり、薄れている。

長引く不況、終身雇用制の崩壊、不安定雇用の増大の中で、

「社縁」もまた狭まり、薄れている。

人と人とのつながり、絆を表す「縁」は、急速に狭まり、薄れつつある。

 

しかし、他方で、

旅客機縮小.jpg交通機関の高速化と拡大・発展は、

人と人との物理的・時間的距離を急速に縮め、

日用品11.BMP行けなかった地に行き、出会うこともなかった人と出会う。

携帯電話のめざましい発達と普及は、

一年に一度しか話すことのなかった遠くの孫が、

おじいちゃんに「お父さんに叱られた。」と

リアルタイムで内緒の電話をする。

地球A縮小.jpg更にネット社会の発展は、

人と人との物理的・時間的・空間的距離を一気に縮め、

言葉や人種・民族・宗教の高い壁を軽々と飛び越えて、

地球規模で連帯と絆を生み出す。

 

旧来型の「縁」は狭まり、薄れつつあるが、

そうそう悪いことばかりでもない。

これに代わる新たな「縁」が創り出されているのも確かである。

「縁」という、不可思議な概念も、

実は、社会の変化と発展の中で、紡がれていくのだろうと、思う。