
映画「沈まぬ太陽」を家族で鑑賞した。
山崎豊子の
「事実を取材して登場人物、各機関・組織などを
事実に基づき小説的に再構築したフィクション小説」
を映画化したものである。
人公の恩地元は、
「国航労組」の委員長として、
職場環境・労働条件の改善に積極的に取り組むが、
会社にその活動を嫌悪され、
カラチ、テヘラン、ナイロビと長期間外地たらい回しにあう。
ようやくの帰国後は、ジャンボ機墜落事故の遺族係に…。
520名もの死者を出したJALの御巣鷹山墜落事故
を髣髴とさせる航空事故の事故処理係として、
遺族らの心をつかみ、 会長室に抜擢され、
会社の改革のため奔走する。
主人公恩地の波瀾万丈の闘い悩む姿が、
渡辺謙の重厚な演技で表現され、観客に訴えかけるとともに、
伸びやかで雄大なアフリカ・ケニアの大自然
・燃えるような夕陽の映像が観客を引きつける。
「組合分裂工作、カラチ、テヘラン、ナイロビへの左遷人事、
不当配転、昇格差別、いじめなど」は、
主人公恩地元のモデルとされる小倉寛太郎氏や
組合の仲間たちが実際に体験した事実だという。
その事実を素材に山崎豊子が作家として独自に
フィクションとしての肉付けと再構築により、
多くの読者を引きつけて離さない小説に完成させた。