敗戦後の荒廃した日本に、爆発的に出現した団塊の世代
(昭和22年から24年に生まれたこの世代の出生数は、
前3年間より4割強、後3年間より2割強多いという)は、
まずは、赤ちゃん時代を食糧難の下生存競争を勝ち抜いて生き延びた。
この世代の背景には、喧騒の闇市が見えてくる。
1学年10クラス前後50〜60人クラスの「芋の子」たちは、
プレハブ校舎の中で、国民主権・民主主義教育の洗礼を受けた。
この世代からは、DDTと脱脂粉乳のかおりがしてくる。
ある者は集団就職列車に乗って「金の卵」となり、
ある者は受験戦争を勝ち抜いて全国に学園紛争を巻き起こした。
この世代からは、
「安保阻止!」「ベトナム戦争反対!」のシュプレヒコールが聞こえてくる。
働き盛りのエネルギーをバブル経済に注ぎ込み、
そして今激しいリストラのターゲットとなり、
この世代を中心とした自殺率は、急上昇している。
この世代から、
見えてくるのは苦悩の表情、聞こえてくるのは声なき怒りである。
団塊の世代は、
まさに戦後日本の明暗の中を、
がむしゃらに駆け抜けてきた象徴的世代といえる。
15年後、この世代は、高齢化社会の最大の構成層となる。
今や就職戦線氷河期時代、しかしそれも何のその、
仕事は、気楽な「フリーター」、或いは親から給料もらえる「プータロー」、
その雇い主は、団塊の世代である。
現在巷で議論百出している介護保険制度、
これを支える子供世代は、親である団塊の世代をどう迎えてくれるのであろうか。
その時、この世代から聞こえてくる声は、見えてくる光景は、どんなであろうか。
しかし、やせても枯れても団塊の世代である。
未来社会から聞こえてくるではないか、
「不当な年金制度改悪許さないぞ!」
「介護保険料高額化反対!」
のシュプレヒコールの声が。

ガンバレ、団塊の世代たちよ!