
ひょんなことで、この春から初夏にかけて、
松葉杖の世話になる生活を送り、
弁護士生活20年目にして初めて、
数週間に亘って事務所・裁判所を休むというハメに陥った。
右足腓骨の骨折のためである。

幸い手術は回避でき、ギブスをしての自宅療養となった。
記録を自宅に移し、足を上げた不自然な姿勢でワープロに向い、
某事件の最終準備書面を仕上げるなどはしたものの、
依頼者・パートナーその他各方面に多大の迷惑をかけた。
又、私の家事分担の日課である
5歳と4歳の子供達の保育園への「送り」等が不能となるなど、
妻には多大の負担をかけた。
今回の松葉杖初体験で、
片足と杖で全体重を支え、前に進むことの大変さ、
杖で体重を支えるための手首への負担の大きさ
(このため、右手首関節に炎症発症!)に驚かされた 。
パラリンピックなどで大きな障害をものともせず、
健常者顔負けに大活躍する選手達の姿を目にしてきただけに、
たかだか腓骨一本の骨折で、身動きが取れず、
裁判所の予定をキャンセルする等、
各方面に迷惑をかけた自らのふがいなさを実感させられた。
子供の場合と違い、大人の骨折は倍の時間がかかるとかで、
ギブスが取れるまでに1ヶ月、松葉杖を手放すまでに2ヶ月半かかったが、
約1ヶ月余で事務所に復帰後も、松葉杖での地下鉄の階段の昇降が不自由で、
事務所と裁判所をタクシーで行き来するなど、
てんやわんやの数ヶ月であった。

がしかし、弁護士生活20年で蓄え込んだ「贅肉」の方も
主治医の厳命によりそぎ落とさねばならなくなり、
仕事の合間を見つけては水泳等に励んでる今日このごろである。