死刑制度を維持し、
冤罪の温床である代用監獄や
否認事件での保釈が困難な人質司法の改革のないままで、
死刑もあり得る重大事件について、
マスコミによる処罰感情をあおる報道の渦の中で
国民が国民に死刑を言い渡すこんな制度を容認していいのかが、
今や問われている。
裁かれる国民に選択の自由を与えないなど
被告人の人権への配慮に欠け、
裁く側の国民にも辞退の自由がないという意味で、
憲法上の思想信条の自由、苦役からの自由に反する
との反対の声も多い。
十分な議論なきまま、
悪しき「司法改革」の目玉として導入された「裁判員制度」は、
国民多数の反対をなだめるため、
「迅速・軽負担・平易」ということが強調される。
結局、裁かれる被告人の人権は軽んぜられ、
拙速に、裁判員に負担をかけず、
簡単に、有罪・重罰を言い渡せる仕組みとなり、
冤罪がなくなるどころか、
強権的・人権抑圧的な「管理統制司法」の「いちぢくの葉」に堕する危険が大きい。