戦後60年、自らの体験として戦争を語れる世代が高齢化し、
悲惨な戦争体験の風化が心配なこの時期だからこそ、
我が国や被侵略諸国国民の犠牲の下に、今日があることに思いを致したい。
広島・長崎の原爆被害、
沖縄ひめゆり部隊や民間人の大きな犠牲、
東京大空襲等々。
加えて忘れてはならないのが、
中国・朝鮮や南方の被侵略諸国民の多大の犠牲である。
この点については、
日本政府自身が
「侵略と植民地支配への痛切なお詫びと反省」
(村山首相談話や最近の小泉首相ジャカルタ発言)
を公式に表明しているが、
小泉首相の靖国参拝への拘りは、
この「お詫びと反省」とは本質的に相容れない。
靖国神社は、
あの戦争は「自存自衛」、「アジア解放」のための正しい戦争であった
との立場に立つ。
同じ敗戦国ドイツに比べて、
我が国の為政者の「戦争への反省」は未だ本物ではない。
昨今の改憲論議の動向によっては、
子供たちの未来に、「徴兵制」の魔の手が忍び寄らないとも限らない。
主権者国民として、心して監視・行動したいものである。