サマータイムなんていらんよ〜(2018年8月15日)元倉

ヨーロッパを初めて旅したとき、
文化や習慣の違いに新鮮な感動を覚えたものだ。
だが、非効率的で面倒臭いだけにしか思えなかったのが、
「サマータイム」。
日本に無くて良かった、他人事、いや他国事で通り過ぎた。
このたび五輪組織委員会会長森喜朗が言い出して
安倍首相が自民党に検討を指示した。
マラソンの時間を猛暑を避けて2時間早くに
−というのがその口実。
まず2年間だけの限定実施とか。
マラソンのためなら2時間早く実施すれば済むではないか。
「時差ボケ」が、海外旅行という非日常だけであればまだしも、
日常生活で一定期間ごとに起きるのである。
時計の針を動かすだけではない、社会生活を丸ごと移動させるのだ。
夏だけだよ!?調子狂っちゃうだろ!!
欧米等にならって?
しかし欧米等はサマータイムを見直す流れにある。
省エネ効果を狙って導入されたサマータイムは、
時代の流れの中でその効果は薄れ、
逆に国民の健康や社会生活への悪影響が指摘されるようになっている。
スウェーデンでは、
サマータイム開始1週間の心筋梗塞の発生率が5%上昇
との医学論文が発表された。
ロシアでは、
サマータイム開始時に心筋梗塞増加で救急車の出動回数が増加し、
2011年30年続けたサマータイムを中止した。

サマータイム導入後は交通事故が増加したとの統計が出た
ドイツ、イギリス。
フィンランドでは、昨年サマータイム廃止を決めた。
EUでは、欧州議会の決議を受けて
サマータイムの見直しを始めた。
オーストラリアでは、
サマータイム開始後男性の自殺が増加しているとの調査結果が出た。
日本では時々サマータイム論議が起きるらしい。
戦後まもない時期、4年ほどサマータイムが実施されたが、
国民の実情生活に合わないと廃止された。
ソウルオリンピックの時、韓国でサマータイムが導入され、
日本でも導入論議が起きたらしい。
ただ韓国はサマータイムはまもなく中止した。
小泉首相の頃にもサマータイムが持ち出されたが、
「なんで?」「俺は反対」、早起きはイヤだと小泉さんあっさり却下したとか。
東日本大震災後にもこの論議が出たらしいが、
この時も国民的議論にはならずに消えた。
この議論を持ち出すのは経済界らしい。
1兆円の経済効果があると皮算用しているらしい。
国民の実情に合わない無理筋も、
オリンピックを持ち出せば乗ってくるかも?
日本人は28カ国中27位の短時間睡眠国民で
午後10時以降起きる人が85%にもなる夜更かし族だ。
サマータイムが導入されたら、
更に睡眠不足になるに違いない。
日本人は世界でトップクラスの勤勉国民だ。
サマータイムが導入されたら、