さしつさされつ、次はあなたの番だ〜(2016年8月15日)元倉
「それ」を知ったのは、
今年の参議院議員選挙7月10日の数日前。
我が目を疑い、何度も見直した。
「それ」が政権与党の公式サイトに登場したのは、
参議院選挙公示日7月22日の前後らしい。
掲げられた看板は、
学校教育における 政治的中立性についての 実態調査 |


党文部科学部会では学校教育における政治的中立性の徹底的な確保等を求める提言を取りまとめ、不偏不党の教育を求めているところですが、教育現場の中には「教育の政治的中立はありえない」、あるいは「子供たちを戦場に送るな」と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生方がいることも事実です。 学校現場における主権者教育が重要な意味を持つ中、偏向した教育が行われることで、生徒の多面的多角的な視点を失わせてしまう恐れがあり、高校等で行われる模擬投票等で意図的に政治色の強い偏向教育を行うことで、特定のイデオロギーに染まった結論が導き出されることをわが党は危惧しております。 そこで、この度、学校教育における政治的中立性についての実態調査を実施することといたしました。皆さまのご協力をお願いいたします。 |
アンダーライン部分の当初の「子供たちを戦場に送るな」(①)が、
その後、「安保関連法は廃止すべき」に修正され(②)、
しまいにはそっくり削除された(③)。



回答欄は、
姓名、性別、年齢、職業、勤務先・学校名(教職員の場合のみ)、
連絡先の電話番号・FAX番号・住所・E-mailに続き、
最後にいよいよ核心部分となる。
※以下、政治的中立を逸脱するような不適切な事例を具体的(いつ、どこで、だれが、何を、どのように)に記入してください。 |

「それ」は「密告フォーム」であった。

公党、よりによって政権政党の
教育への公然たる政治介入であり、
あわてて修正削除した
「子どもたちを戦場に送るな」と教えることが
中立性を逸脱した教育になる
−と、
図らずも暴露した自らの危険な立ち位置からの
前代未聞の不当な政治介入である。
「学校教育における政治的
中立性についての実態調査」
との看板に偽りあり。
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何より背筋が寒くなるのは、
密告の勧めが教育を受ける子ども達に向けられていることである。
そして何より危険なことは、
政権与党が公式サイトで平然と密告の勧めをするまでになっていることである。

密告は教育問題からその対象を拡大していき、
さしつさされつ、
次はあなたが密告される番だ。
治安維持法、隣組による密告世界は70年前に終わったわけではないかも知れない。
