モノポリーMonopoly(独占)〜(2016年1月1日)元倉
(君は)もうすぐすっからかんだね
買おう お金はたっぷりある
ありすぎて使い切れないよ
俺は無敵だな
−「金持ち」と「貧乏人」の二人が
モノポリーMonopolyで対戦してわずか15分、
「金持ち」は、苦境に陥っていく「貧乏人」に対し、
力を誇示し、どんどん横柄で思慮を欠くようになり、
成功を見せびらかし、叩き付けるように駒を進める。
(TBSサンデーモーニング年末SPより)
モノポリーMonopolyはアメリカ生まれの世界的ロングヒットゲーム、

和訳すると「独占」だ。
サイコロ2個を順番に振り、出た目で駒を進め、
不動産購入や相手との交渉等で金を稼ぎ、
その名の通り、他の参加者を全て破産させて
独占を勝ちとることを目的とする。
(日本ののんきな双六に比べると、アメリカは遊びまでティラノザウルスだな。)
これに不公平な仕掛けがされた。
「格差」をテーマとしたアメリカの心理学者ポール・ピフ氏の実験である。
初めから「金持ちRich Playere」と「貧乏人Poor Player」を決め、
「金持ち」は、スタートの所持金が2倍・駒はロールスロイス、
途中で獲得する給料額にも格差をつけ、
サイコロの個数も「貧乏人」は「金持ち」の半分の1個。
驚く勢いで格差は拡大し、「金持ち」が圧勝する。
参加者はこの不公平な仕掛けを承知の上の、出来レースである。
しかし、対戦模様は隠しカメラで撮影された。
冒頭はこの隠しカメラで撮られた「金持ち」のセリフである。
ゲーム終了後、「金持ち」は自己の勝因として、
驚くことに「自分の実力」を強調したと言う。
不公平な条件設定を承知しているのに、である。
世界で格差が拡大傾向にある。