たんぽぽ法律事務所

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公約違反と民主主義〜(2014年1月1日)弓仲

1 暮れも押し迫った12月27日、

沖縄県の仲井真弘多知事は、

防衛省申請のアメリカ海兵隊普天間基地「移設」に伴う

名護市辺野古の公有水面埋め立て申請を承認しました。

これは、普天間基地の閉鎖・撤去と「県内移設」断念を求める

オール沖縄県民の願いを踏みにじり、

前回知事選挙での仲井間知事の「県外移設」なる公約にも反するものです。

 2 辺野古沿岸の海域には、絶滅のおそれ極めて高い

ジュゴン(国の天然記念物、国際保護獣)の食跡が確認され、

辺野古に隣接する大浦湾では

ジュゴンの泳ぐ姿も確認されています。

辺野古の藻場は、沖縄本島最大規模とされており、

ジュゴンが餌場として利用する可能性が今後も高いのです。  

 

辺野古の周辺海域は、絶滅危惧種のアオサンゴが生息し、

ウミガメが産卵に訪れている自然豊かな海です。

 

3 水面埋立法4条1項2号

「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」

にいう「十分配慮」とは、

問題の現況及び影響を的確に把握した上で、

これに対する適正な措置が十分に講じられることを求めているものです。

申請から承認に至る沖縄県と沖縄防衛局との間で

海①s.jpg

数次にわたり行われた質問・回答のやり取りをみても、

ジュゴンの保全措置、

埋立土砂に混入する外来種の問題、

埋立土砂の調達先の環境に与える影響対策、

オスプレイの騒音や安全に関する問題など、

環境保全に関わる問題は何ら解決されてはいません。

このような現状では、

辺野古の公有水面埋め立て計画は、

公有水面埋立法の前記規定を遵守できないものでした。

 

4 沖縄では、2009年11月8日、

普天間の辺野古移設都県内移設に反対する

県民集会に2万1000人が結集しました。 

2010年4月25日、

普天間飛行場の早期閉鎖・返還と国外・県外移設を求める

県民大会が超党派で開かれ、9万人が参集し、

仲井真知事も挨拶に立ち、

当時の鳩山首相の国外・県外移設の約束履行を迫っています。

2010年5月末日米両政府間で辺野古移設に合意しましたが、

2010年11月の知事選挙で再選された

仲井真知事の公約も「県外移設」でした。

前記9万人参集の県民大会から1年を前に、

2011年4月に琉球新報が実施した

沖縄県内全41市町村長に対するアンケート調査では、

 

全市町村長が県外や国外移転が望ましいと回答するなど、

沖縄の県内移設に反対する声は止まることはなかったのです。

 

沖縄県議会も、

2008年7月18日

「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書」

を野党の賛成多数で、

2010年2月24日

「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還県内移

に反対し、国外・県外移設を求める意見書」

を全会一致で、

2011年11月4日

「米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対し、

環境影響評価書の提出断念を求める意見書」

を全会一致で、

各可決するなど、

繰り返し辺野古移設等の県内移設に反対する旨を決議してきました。

また、沖縄選出の現職の衆議院議員や参議院議員の全員が、

政党の如何を問わず、

「県外移設」の公約を掲げて当選していました。

辺野古移設・新基地建設反対は、

いわば、沖縄県民の総意ともなっていたのです。

 

5 この事態を前に、

衆参両議院で多数派となった安倍内閣と自民党本部は、

次回選挙での公認問題をちらつかせるなど強力な圧力をかけて、

沖縄県選出の国会議員と自民党沖縄県連に「県外移設」の公約を撤回させ、

辺野古への新基地建設容認に無理やり転向させたのです。

仲井真知事に対しては、

沖縄振興費等の積み増し等「札束」で圧力を掛け続けました。

その結果、仲井真知事は、安倍首相との直前会談をふまえ、

政府の提示した「沖縄振興策」や「負担軽減策」を絶賛して、

辺野古の埋立申請を承認したのです。

知事の「普天間の5年以内の運用停止」要求については、

安倍首相からは何ら具体的な回答はありませんでした。

しかし、仲井真知事は、

安倍首相の「認識を共有してる」との抽象的な発言にしがみつき、

「運用停止の筋道がみえつつある」と居直って、

自らの「県外移設」との公約違反をごまかしています。

 

6 自民党のTPP問題での公約は、

一昨年の衆議院選挙では「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、

TPP交渉参加に反対」と明記し、

昨年の参議院選挙でも「守るべきものは守る」公約し、

政策集で農林水産分野での重要5項目の聖域を確保すること掲げていました。

しかし、反対論を押し切って参加したTPP交渉では、

米や乳製品などの重要5項目での譲歩の姿勢を露骨に示すに至っています。

前々回の都議会議員選挙では、

民主党の多数の候補者が

都立病院の廃院反対、築地市場の移転反対を公約に掲げ当選し、

他の反対勢力と併せれば過半数を確保していたにもかかわらず、

公約を裏切り、反対する都民の声を裏切りました。

 

選挙で掲げた公約を守り抜くことこそが、

公約を掲げて選ばれた者の、選挙民である国民・都民・県民への責務です。

公約を守ることは、民主主義の根本です。

 

 公約違反を許さず、次の選挙で、きちんと選挙民の声を反映させたいものです。

 

沖縄では、今年、

2014年1月19日には、辺野古の地元、名護市の市長選挙があります。

11月には、沖縄知事選挙もあります。

 

選挙民が公約違反を認めず、辺野古移設反対の意思を投票に示すとともに、

怒りの反対運動が広がれば、

安倍政府が考えるように簡単には辺野古移設は進まないでしょう。

 

沖縄県民の大多数の思いに連帯しつつ、新基地の建設を阻止し、

美しい辺野古の海とジュゴンたち希少生物を守り抜きたいものです。

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