反原発いやがらせホラー〜(2013年8月15日)元倉
「反原発へのいやがらせの歴史展」に行ってきた。

8月10日午後のことである。
この日、観測史上6年ぶりに40度超えの地が出て、
東京都心でも37度にまでなったというが、
暑さにとても弱い私は息も絶え絶えに、
会場の新宿区区民ギャラリーにたどり着いた。
エアコンの涼しさを感じさせない盛況ぶりであった。

1986年のチェルノブイリ原発事故後に高まった
反原発運動に呼応するかのように、
陰湿・卑劣ないやがらせは、
広く・深く・執拗に続けられ、
反原発運動が下火になるにつれ
嫌がらせも沈静化していったという。

無言電話、
ポルノ漫画を表面に貼り付けた葉書を送りつける
といった不快感を与えるいやがらせ。
本人になりすまし自らを過激派と思わせる文面の葉書を周囲に送りつける、
勝手に300万円のトラクターが発注される、
といった実害を伴ういやがらせ。

反原発運動参加者の写真を撮影して、
公共料金請求書・納税通知書・郵便物を入手して、
特定の個人や団体の内部文書を入手して、
本人や団体に送りつける等々、
いつでも見ているぞと脅しをかける嫌がらせ。
あの手この手、創意工夫凝らし、実に様々である。
あたかも、どす黒い渦巻きが静かに拡大し、
反原発運動に関わる人々を、一人、また一人と水面下に引きずりこみ、
ひそかに息の根を止めていった、そんな空恐ろしささえ感じた。
最大の問題は、
封筒や葉書が、日本全国のみならず海外各地から投函されており、
その規模・数量・継続性は、個人の力をはるかに凌駕しており、
利用された個人や団体の情報源に公安機関が関わっている可能性が極めて高い、
ということである。

福島の原発事故後全国的に高まった反原発運動も、
安倍政権の誕生で原発再稼働が前面に押し出されつつある昨今、
新たな巧妙で陰湿・大規模な新たないやがらせが始まるのではないか、
そんな不気味さが漂ってはいまいか。
猛暑の中、どんなホラーより背筋が寒くなったのは私だけではあるまい。
